そこからうまれる作品の魅力は、素材に対する愛情と妥協のない材料作りにありました。
原毛を仕入れ、糸にするまでの長いながい行程、それを菅間さんは自らこなします。油や泥が付いた原毛は数回に分けて浸け込み洗いし、乾燥させてからも手でほぐしながらゴミを取り除きます。その後、カーダーという針のついた機械で羊毛を梳き繊維を整え、ふわふわの羊毛が完成したら、最後に紡毛機で糸を紡いでいきます。ご自身で羊毛をブレンドし、糸の色作りをすることもあるそうです。
「使う人の肌の記憶にそっと残るものとなりますように」
一つひとつ違う羊毛の“素地”を大切に、手の感覚で優しく紡ぎ編まれた作品には、そんな想いが込められています。